2024/06/01
さくら便り
さくら便り2024年6月号「食欲不振」
道端に目をやると雨粒を乗せた紫陽花がきれいに咲き並ぶ季節になりました。
皆様体調はいかがでしょうか?
今回のさくら便りは、外来受診時にご家族から相談されることが多い「食事について」少しお話をさせて頂きたいと思います。
「食事を三食食べない」「痩せて心配」「沢山食べてほしい」という思いで、相談されるようです。
がんの辛い症状に「食欲不振」があります。
「食欲不振」は「食べたいという意欲が低下、もしくは消失した状態」を言います。
がんの患者様、ご家族は「食べられない苦しみ」から、「食べないと瘦せていく」「衰えていく」という不安で非常につらい思いをされます。
一日三回食べることは、食べる意欲が低下した患者様には苦痛となります。まずは「味わう」ことであり、食べることを強要しないことが大切です。
患者様が「食べたいものを」「食べたい時に」「少しずつ」「一日何回かに分けて」食べられるようにしていく事がポイントになります。
食事の時間は時間にとらわれずに、患者様の食べたい時間に食べられるようにしましょう。
- アイスクリーム、シャーベット、ゼリーなど、口当たりが良いもの
- スープや味噌汁、果物など準備しておく
- エンシュア、栄養補助食品、経口補水液
- のど越しの良い素麺などの麺類、豆腐、茶わん蒸しなど
- 固形物の飲み込みが難しい場合は、ペースト食やミキサー食など食事形態を工夫する
- 食べやすい体位をとるなどの工夫も大切
何かご心配、ご質問がありましたらご相談下さい。
緩和・在宅ケア委員会